いよいよ主要紙にも改正派遣法施行日の延期?との記事が掲載され始めました。
一部報道で、「政府が派遣法施行日の延期を検討か?」と流れたのが7月14日。
参院の状況を踏まえれば、9月1日の施行は難しいと考えていましたので、このところ行った派遣先・派遣元向けセミナーでは、9月下旬施行見込みとお伝えしていました。
一方で、私の関心は「現行26業務で就業している派遣労働者」に対する経過措置の件、現行の「期間制限なし」から「3年上限」に急激に取扱いが変更になることを緩和するために、例えば「3年間は新法の適用を停止する」などの策が講じられること。
3年間新法停止となれば、施行日後6年程度就業することが可能になります。
それ以外にも、「日雇い派遣の収入制限の見直し」、「派遣先への派遣労働者転籍の際の紹介手数料支払い」の定めなど実務面での関心事は多々あります。
もう一つ、「労働契約申込みみなし制度(みなし制度)」については、法的な解釈だけ でなく成立の過程から適用基準への疑問をお話ししています。
みなし制度が派遣法改正に登場したのは自公政権下の2008年11月。
ただし、違法派遣が「みなし雇用」として適用されるケースは派遣元から『派遣停止 通知』を受けているにもかかわらず派遣先が労働者派遣を受入れ続けているような事例を想定していました。
これなら「違法派遣の対象となる派遣先」に共通の判断基準をもつことができます。
しかしながら、2010年3月、「専門26業務派遣適正化プラン」に基づく全国労働局の不均質な指導が行われ期間制限違反を指摘される事例が続発しました。
再びの混乱は回避したいとの考えから、今回、みなし制度の施行(2015年10月1日)前に改正派遣法を施行したいとの考え方があるわけです。
前回改正(2012年)の附帯決議には、「期間制限違反の指導監督については、丁寧・
適切に、必要な限度においてのみ実施」するよう「改めること」とされています。
これは、適正化プランによる行き過ぎた指導監督に対する厳しい指摘でもあります。
にもかかわらず、みなし制度の適用において派遣先による「法の無知は認めない」などの法律論を繰り出し「分かりにくさ」を生じさせることが懸念されます。
それより、今回の派遣法改正のベースである「派遣労働者や派遣元・派遣先に分かり
やすい制度とする」ことを、みなし制度にも適用し「明確な判断基準」を示してほしいと願うものです。
(コンサルティングミッション 秋元次郎)